2007年05月18日

アジアンダイニング「ケイズカフェ」

※平成20年10月1日、「Kei's cafe soi99」と店名を改めリニューアルオープンされました!移転先は同じく八千代台で、駅からさらに近くなりました!(レポートの店舗写真は旧店舗のものですが、引き続き同じメニューが楽しめるそうです。)

“食わず嫌い王決定戦”に出ることになったらどうしよう?
と、いらぬ心配をしたくなるほど、食べる物に関しては好き嫌いのない私。
そんな自分にも、飲み込めないほどダメな食べ物があったんだ!と思い知らされたのが、タイ料理だったんです。パクチーの胸焼けしそうな匂いと、タイ料理独特の酸味が鼻の奥でミックスされたあの感じ・・・!もう、二度と食べるまいと心に誓った瞬間でした。
その記憶が薄れかかった頃、友人に連れて行かれたタイ料理店でパクチーと再会。果敢にリベンジを図るも、あえなく撃沈。「恐らくこれから先、口にすることはありませんな」、と人生最後のタイ料理に別れを告げたのでした・・・というはずだったのに!!

先日「グルメレポートにぜひ来て欲しい」と、昨年12月にオープンしたタイ料理店“アジアンダイニング ケイズカフェ”から、お問い合わせをいただいてしまったんです。折角のお話でしたが、食べられないのにレポートが書けるはずもなく、速攻お断わりを入れた私。
「すみません、私はタイ料理がどうも苦手でして。パクチーとか香草が入っているんですよね?今回は申し訳ないんですが・・・。」

そんな逃げ腰の私に、ぜひそういう方にこそ一度食べていただきたい!とケイズカフェのオーナーさん。
「そうおっしゃらずに!本場タイの一流シェフですが、6年間日本のレストランにいましたから、日本人好みに仕上げている部分もあるんです。恐らくタイ料理が苦手な方というのは、“辛い!酸っぱい!匂いが強い!”というイメージをお持ちだと思うのですが、辛さは調節しますし、パクチーが入っていないお料理も沢山ご用意しています。
きっと、お食事していただければ、タイ料理に対するイメージが変わると思いますよ。とにかく一度、食べにいらっしゃいませんか?」

タイ料理嫌いの目を覚ます、日本人向けのタイ料理?!
・・・ってホントデスカー??
実は2回目に食べた時、「ここのタイ料理は日本人向けで大丈夫だから」と言われて口にしたんです。ちょっとやそっとの“騙し”だったら、この私は落とせないわよ、なんて思いもありつつ・・・それでも熱心なお話振りに興味が湧きまして、八千代台駅の西口から徒歩2分というこちらのお店へと足を運ぶことになりました。

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赤白青のカラフルな旗や、建物側面の黄色いカラーが目を引く外観です。すぐ右隣が100円パーキングになっているので、こちらに車を停めて店内へ。

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「元々パブだった場所を居抜きで使用したので・・・」とおっしゃっていた通り、青紫のふっくらしたソファーやカラオケセット、バーカウンターなどの配置がそれらしさを感じさせないわけではありませんが、アジアン系のインテリアや小物などで彩られた内装は、間違いなくタイ料理屋さんそのもの。
4人掛けテーブルが左側に2つ、右側手前に5〜7人掛けが2つ、そして右奥のバーカウンターに5〜6席ほどのこじんまりとした店内には、アジアン風の香料が漂います。

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テーブルに置かれたメニューと、ボードに書かれた“本日のオススメ”からお料理を選びます。現地での呼び方でしかメニューに記載されていないこともあり、運ばれてくるまでどんな料理か分からない・・・ということがしばしばありますが、きちんと料理名が日本語で表現されていますし、さらにお料理の写真も付いているので安心して注文ができます。
単品は600円〜1,200円程度と思ったよりも手頃な価格で、タイ料理っぽすぎないメニューもちらほら。
鶏手羽揚げ、イカ焼き、春雨と卵の炒め物・・・って、これは間違いなくタイ料理ではないですよね??
「いえいえ、これらもタイ料理ですよ!もともと中華料理だったものが、タイに伝わってアレンジされたケースも少なくありません。言わば“中華風タイ料理”ですね。ちなみに、当店のシェフは中華料理の出身!もちろんタイ料理の腕前は一流ですが、日本人の口に合う調理方法や味付けを考える上でとてもプラスになっているようですよ。
ポピュラーなタイ料理から中華風なものまで色々ご用意はしておりますが、今日は是非とも食べていただきたいお品があるんです。」

といって、オーナーにオススメされたメニューというのが・・・何てこった!トムヤムクンでっかー!?
「1人前(900円)もありますが、やはり鍋で召し上がっていただいた方が良いと思いますので、2,3人前(1,500円)をお持ちしますね。」

え・・・いや、1人前で良いです。ていうか、本当に、トムヤムクンばっかりは勘弁してください!!
そんな心の叫びは届くことも無く、オーダーにイン。
ちなみに辛さはお好みで調節してもらえるとのことでした。並の辛さだと相当辛いそうなので・・・かなり抑えめでお願いします。

さらに、タイではポピュラーな夏野菜で、今まさに旬に入ってきているという「空芯菜(くうしんさい)のみそ炒め(1,000円)」と、タイではパッタイと呼ばれる「タイ風焼きそば(850円)」、さらに海老味噌ソースで味付けがされたお店オリジナルメニュー「K-CAFEチャーハン(1,000円)」の、計4品がイチオシ料理とのこと。

タイ料理っぽすぎないものを注文しようと企んでいただけに、私も一緒に来たなび夫さんも不安一杯。
「どうしよう、おれ絶対食べられないよ・・・。」と口走る彼の偏食っぷりは、食わず嫌い王に何度と無く出場できそうなほど。残したら失礼だけど・・・だめだ!なび夫さんには頼れそうもない!!

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そんな暗雲漂うテーブルへ最初に運ばれてきたのは、「空芯菜の味噌炒め」。空芯菜の名は、茎の中が空洞になっていることが由来だそうですが、空洞になっていることで火を通してもシャキシャキ感が楽しめる青菜だとか。
青菜といっても、独特の苦味は全くありません。生で頂いてもそれほど青臭さくないというだけあって、ニンニクとタイ味噌による味付けが前面に押し出されているものの、空芯菜そのものの印象は「食感を演出してます」という程度。これは、小松菜やほうれん草、チンゲン菜とも違う・・・初めて出会う青菜だわ!
シンプルに青菜と飾りのトウガラシだけが盛られたこの一品、火が通ってしんなりしているので量が少ないようにも見えますが、実際に食べてみると思いのほか2人でシェアして丁度良いくらいボリュームがあります。味付けも中華っぽいので、身構えていた私たちは肩透かし。
なんだ!“タイ味噌”ってオイスターソースっぽいんじゃん!むしろクセがなくて普通に美味しい!こういう青菜の炒め物が大好きななび夫さんは、もう一皿いけるんじゃないか?と思うような食べっぷり。

負けじと私も空芯菜に手を伸ばしているところへ、来ました来ました・・・トムヤムクンが!!

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テーブルに置かれるなり、香りが漂います。
そうそう、この匂いが耐えられないのよねー、と言おうとしましたが、想像していたようなキモチワルさが全く感じられないんです。
「エビの酸っぱ辛いスープ」と和訳されているように、具材はエビに玉ねぎ、ネギ、トマト、そして多分ブナピーが大きめに切り入れてあり、風味付けのための生姜輪切りや月桂樹、そして間違いなく・・・パクチーもしっかり一緒に煮込んでありました。
お玉で取り皿によそい、すするために口元に持ってくるも、やっぱり匂いはきつくなく、タイ料理独特の香りだけが心地よく鼻を伝います。口に含んでもそれは変わらず、舌先に残るピリッとした辛みはあるものの、鍋ならではの凝縮された旨みがぶわーっと口中に広がります。
酸味があるといっても、お酢やレモンなどの刺激的な感じではなく、トマトの酸味が近いでしょうか。スープの味を例えるなら、ミネストローネみたいな印象です。具材はエキスが出切ってパサつく感じというわけではなく、エビなんて適度にほっくり!しかもたっぷりと入っているのがウレシイところ。

さらに、この専用鍋にも秘密が。
丁度中央の出っ張っている中に、ロウソクの火が入っているんです。このおかげでいつまでも湯気の立つ温かい状態が保たれているので、冷めて美味しさ半減・・・ということにはなりません。

しばらく食べ進めていくと、残り1/4量くらいでお玉が鍋の途中に当たってすくえなくなってしまいました。生姜や月桂樹の葉っぱが浮いてきたし、この程度で終了するような食べ物なのかしら?
そこを通りがかったオーナーが一言。
「最後に凝縮されたスープが勿体無いですから、鍋を傾けて直接お皿へ移してお召し上がりくださいね。」
なるほど・・・。

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念のため、本当にこれってパクチーですよね?と箸先でつまんだ葉っぱを見せて確認。
「そうですよ。本場タイのパクチーは、もっと香りや味が強いんですが、お店で使用しているのは風味が柔らかい日本産のものなんです。」

確かにこのトムヤムクンを頂くと、タイ料理に対する印象が変わるというのがすごくよく分かります。冷やし中華ダレの酸味でさえ嫌がるなび夫さんが、目の前で「うまい、うまい!」とおかわりしているんですから、見事なものです。

まさか食べれるなんて思わなかったトムヤムクンで勢いがつき、次の料理にも期待がかかります。
「こちらが、パッタイと呼ばれているタイの焼きそばです。そのままでしたら全く辛くないのでお子様でもお召し上がりになれますが、こちらの香辛料や調味料をお好みで加えていただくと、全く違ったお味を楽しめますよ。」
一緒に4種類の調味料が運ばれてきましたが、まずはそのままでいただきまーす。

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甘めの優しいお味は、甘酢あんかけ野菜などを思わせるような感じです。細く切られた甘いおあげに、ニラ・卵・もやしといったスタンダード具材、それに甘エビのような小エビと、さらに大きめの干しえびも混ぜ込まれています。ところどころに砕いたピーナッツ、そして麺の下の方から出てきたのが・・・こりゃ沢庵?しかも、甘く黄色い東京たくわん系の・・・。
「そうなんです。たくわんなんですが、違和感ないでしょう?タイでは似たような漬物が用いられているんですが、日本でなかなか手に入らないので、代用品として使いました。」

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4種類の調味料は、お酢、砂糖、唐辛子、ナンプラーだそう。
とりあえず全種類を適当にかけていただいてみましたら!これはまた・・・随分と印象が変わるものですね。
甘酢の優しい味から、一気にパンチの効いたしっかり味付けに!
あまり馴染みの無いナンプラーですが、粉チーズっぽいような独特の風味としょっぱさをプラスしてくれます。どうも、このナンプラーとお酢の組み合わせが、アジアンな風味を醸し出すポイントのよう。

最後に出てきたのが、タイ米を使ったチャーハン「K-CAFEチャーハン」です。米不足のときに食べたタイ米のイメージが、いまだに色濃く記憶に残っている私、きっとぽそぽそっとしているんだろうなーと思って食べたせいもあり、その予想外な食感にまたしてもやられました!

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チャーハンのパラパラふんわりはしっかり表現されているものの、口の中では水分がきちんと残って日本のお米のようです。
「これはジャスミンのかおり米といって、白いご飯で頂いても十分おいしいタイ米なんですよ。お値段も日本のお米と変わりません。タイ米の印象を悪くしてしまった米不足ですが、あの時出回ったものは、本当に最低ランクのものなんです。」
チャーハンには、豚肉の薄切りやインゲン、そしてぐじゃっと水っぽくならず適度に歯ざわりを残したナスが入っています。色みが茶色なんですが、これはアミエビの味噌炒めをからませているからだとか。辛さ的には一番直接的に来る感じでしたが、このピリピリ感がまたクセになりそう!一方、まわりに彩りを添える半熟ゆで卵を一緒にいただくと、まろやかさがプラスされて違った美味しさも楽しめました。

和食とか中華など、ポピュラーなジャンルだったら月に何度も足を運びやすいけれども、こういった馴染みの薄い料理だと、年に1回・・・下手したら人生で数えるほどしか食べに行かない傾向にありますが、ここだったら身構えることなく普通に食べに来れそう!
しかも、そう思えたお料理ジャンルが、あんなにも毛嫌いしていたタイ料理!!
オーナー・・・すっかり私、ここのタイ料理に魅了されてしまいました。まさかパクチーが口に出来るなんて、思いもしなかった!!
他のメニューも色々試したくなりましたし、今度はもう少し大勢で来て、シェアしながら色々食べてみよう!

そうそう、このお店はランチ(月〜土11:00〜14:30)がとてもお得なんです。
ご飯プラス炒め物のような定食タイプのほか、日替わり本場タイカレーやチャーハン、タイラーメンなどの単品に、サラダ・スープ・デザートも付いて700円〜850円!
まずは気軽にランチタイムから・・・というのもいかがですか?

●アジアンダイニング ケイズカフェ(Kei's cafe) 047-752-2199
※新店舗の情報です
千葉県八千代市八千代台北1-9-3コーポ総1階(ラーメン店“パンケ”さん隣り(地図)京成線八千代台駅西口すぐ
【営業時間】月〜土/ランチタイム 11:30〜14:30(LO 14:00)、18:00〜24:00(LO 23:30)
日・祝/16:30〜22:30(LO 22:00)
【定休日】水曜日
【駐車場】近くにコインパーキング有り
【ホームページ】http://www.keis-cafe.com/
※ランチ有り 830円〜
※忘年会・新年会・パーティー等承ります

〔関連レポート〕
2007年11月29日 からだポカポカ!タイ風しゃぶ鍋「タイスキ」体験



posted by やちなび子 at 00:00 | 千葉 ☁ | Comment(0) |  > アジアン料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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